●20世紀もあと数年という時になって香港がイギリスから中国に返還され、マカオの行政権もポルトガルから中国に委譲されることになりました。東ティモールの問題も近く最終的な決着がつくのではないかという一脈の希望の光がさしてまいりました。
 今から約500年前、ポルトガル人ヴァスコ・ダ・ガマの率いる船隊が1498年にインドのカリカットに到達いたしました。彼の航海は1415年に始まるポルトガルの海外進出のクライマックスであると同時に、アジアにとっての新時代の始まりでもありました。ポルトガルはさらに東に進み、マラッカ、モルッカ諸島、マカオ、そして日本に到達しました。
 この『大航海 ヴァスコ・ダ・ガマの道』全11巻は今日的視点から、いわばアジアの海への侵入者であったポルトガル人の足跡を本国ポルトガルから種子島、生月島へとたどり、美しい映像のなかにその光と影を鮮やかに描きだしました。私自身も監修者として協力してまいりましたが、その立場を離れ、一研究者として観ましても優れた作品であると存じます。どうか多くの方々にご覧いただきたく、ここに推薦いたします。

生田滋(大東文化大学国際関係学部教授)
東南アジア近代史・大航海時代史専攻
著書『ヴァスコ・ダ・ガマ 東洋への扉を開く』(原書房)『大航海時代とモルッカ諸島』(中公新書)など

●ヴァスコ・ダ・ガマの旅したインド洋がどのような世界であったのか。彼の行動の軌跡をたどりつつ、大航海時代を見直そうとする、企画・制作の意図が見事に貫かれています。一つひとつの歴史的事実に関わる自然・場所・人・ものなどが美しい映像のなかにじっくりと描き出されています。今後に残すべき貴重な映像記録と思います。

家島彦一(東京外国語大学教授)
イスラム史・東西交渉史専攻


●学校の教材に最適と思います。

金七紀男 (東京外国語大学教授)
ポルトガル近世史専攻


●在日ポルトガル大使館文化部は、海工房制作のビデオ作品「大航海〜ヴァスコ・ダ・ガマの道〜」を、喜んでご推薦いたします。    

エドアルド・コル・デ・カルバーリョ(ポルトガル大使館文化参事官)
 


拡大写真へ

拡大写真へ