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大砲と剣 〜アルブケルケの野望〜
 序章/王の命令
第一章/疾風の島
第二章/服従か戦いか
第三章/ダウという船
第四章/海を超えた乳香
イエメン = ソコトラ島、サナア、ジブラ、アデン、ムカラー
オマーン = マスカット、ソハール、スール、カルハート、カルヤット、サラーラ
収録「世界遺産」 イエメン= ソコトラ島オールド・タウン(サナア)
オマーン=乳香の谷

 アラビア半島には古代より、乳香や竜延香、アロエなどの交易で栄えた王国があった。木造帆船ダウやラクダの隊商がインド洋交易を支えていた。そしてイスラーム教は、布教の範囲を東南アジアまで広げていた。そこへポルトガルがやって来る。提督アルブケルケはインド洋貿易の独占を徹底させるべく、アラブ人に闘いを挑む。アラブ人は剣と矢で対抗したが、ポルトガルの大砲を前に惨敗。ソコトラ島やアデンなどが次々と陥落した。インド洋、ペルシャ湾沿岸に地盤を固めたポルトガルは、まさに勢力の絶頂期にあった。

 第8巻では、灼熱のアラビア半島と絶海のソコトラ島を訪ね、ポルトガルとアラブの闘いの歴史に触れます。遺跡では、インド洋交易の広がりを裏づける陶器の破片を見つけます。要塞は、アラブ、ポルトガルと支配者が移り変わった歴史を刻んでいました。ソコトラ島は、強風と高波に閉ざされる風の季節と、高温多湿にむせかえる熱波の季節があり、容易に人を寄せつけません。軍用機で暴風の吹きすさぶソコトラ島に到着。特異な環境が育む奇妙な植物に目を見張ります。不毛の土壌に生きる住民は、ヤギとナツメヤシと漁業で生計を立てていました。イエメンのハドラマウト地方には、イスラーム教を学ぶ敬虔な信者が内外から集まります。インドネシアのイスラーム教はここから伝えられました。先祖の地で学ぶインドネシアの神学生に会います。商人もまたハドラマウトから東南アジアに行きました。アラブと東南アジアの固いつながりを見ます。オマーンのサラ−ラ地方は、アラビア半島で唯一雨の多い所。その気候が、高価な交易品であった良質の乳香を育てるのです。